挑戦し始めて5年 『いのちの壱』栽培
[2021.10.01]
春日井市坂下町にお住まいの伊藤忍さんは、5年前より水稲品種『いのちの壱』の作付けを始め、現在約80aの水田で栽培を行っています。
『いのちの壱』は、2000年頃に下呂市で発見されたコシヒカリの突然変異種で、コシヒカリの約1.5倍もの米粒と独特の甘味に加え、しっかりとした歯応えが特徴の新品種。非常に大きい米粒のため、専用の機械や設備を用いる必要があり、生長過程も穂高で風害の影響を受けやすい、籾黄化率に注意して早めの刈り取りが必要など、終始繊細な栽培管理を求められます。
退職後に親から農業を引き継いだ忍さんは、田畑を維持し継続していくことを第一として農作業に励んでいました。そんな中、岐阜観光に訪れた際に何気なく食べた『いのちの壱』を一口食べて衝撃を受けたといいます。「自分の手でもこの味を作ってみたい!これは作ってみる価値がある!」と挑戦意欲が沸き上がってきた忍さん。自身が取り扱っている水稲品種を見直し、試行錯誤しながら現在に至るまで『いのちの壱』の栽培に毎年取組んでいます。
「『いのちの壱』に出会って、農業に対するモチベーションが凄く上がりました。しかし、いざ作付けを始めてみると、考えていた以上に繊細な品種であることが分かり、特に胴割れや倒伏には頭を悩まされました。5年経った今でもまだ上手くいかない部分もありますが、それも含めて楽しく栽培しています。私のお米を待ってくれている人の為にも、今以上に納得のいくものを作っていきたいです』とお話ししてくださいました。