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町の伝統と命の繋ぎを学ぶ  豊山町立新栄小学校

[2017.12.19]

 

 ▲煮込んだドジョウを木箱に詰めた酢飯に並べる児童ら

 

 豊山町立新栄小学校で19日、同町の伝統的な郷土料理を学ぶ「ドジョウ寿司を味わう会」が初めて開かれました。会は、同町の豊山小学校で8年前から行っています。地域の伝統的な食文化を子ども達に伝えていく総合学習の一環として、今年から町内の志水小学校も導入しました。

 伝統料理の継承と、町の地域振興を目的に結成された「豊山まちおこしの会」会員9人が、3年生児童約60人にどじょう寿司の作り方を手ほどきをして、児童全員が寿司作りを体験しました。会には、服部正樹豊山町長や鈴木邦尚副町長、西川徹教育長などが出席し、児童らとドジョウ寿司作りを楽しみました。食材のドジョウは、ドジョウすくいで有名な島根県安来市のドジョウ養殖場から取り寄せた国産のものです。

 ドジョウ寿司は、ドジョウを砂糖としょうゆで甘辛く煮込んだ後、寿司飯の上に並べ木枠に詰めた押し寿司です。町内でもかつては地元の田んぼで捕れた物を各家庭で調理し、祭りや縁日の時に食べられていました。近年は、都市化が進み家庭で作られることもほとんどなくなっています。

 冒頭で小川貴校長は「ドジョウ寿司作りを通じて豊山町の伝統を知り、皆さんの住んでいるこの町をもっと好きになってください」、服部町長は「ご飯を食べる前の挨拶にもあるように、皆さんはドジョウ寿司を食べることで命をいただきます。感謝の気持ちで大切に召し上がってください」とそれぞれあいさつしました。

 生きたドジョウを触るのが初めてという児童ばかりで、鍋でドジョウを煮る行程ではおっかなびっくりでの作業となりました。児童は「寿司のドジョウは身も骨もやわらかくどこか懐かしい味がした。元気だったドジョウが鍋の中ですぐに大人しくなり料理されるのは可哀そうで怖くもあった。食べる時に微かに刺さる骨の痛さが命をくれたドジョウの痛みを思わせた」と感想を述べました。

 同校では初めての体験に小川校長は「この体験は、子どもたちにとって町の郷土料理など伝統、地域とのつながり、町おこしとたくさんの事を学べる本当に良い機会です」と絶賛しました。

 
 ▲ドジョウをお椀で鍋に入れる児童
 
 ▲「豊山まちおこしの会」からのあいさつ
 
 ▲給食で自分たちで作ったドジョウ寿司をほおばる児童ら
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