自然農法+人力 大地のエネルギーを活かした稲作
[2020.10.21]
小牧市入鹿出新田在住の中村浩美さんは10月下旬から、栽培していた稲の収穫を始めました。広さ約35アールの水田では「黒米」「赤米」「緑米」「香り米」など、多様な古代米を栽培しています。自然農法に興味を持ち早20年、“不耕起・無農薬・無肥料・無除草”をモットーとした栽培を継続して取り組んでいます。
今回は自然農法に加え、エンジンを搭載した機械を用いない収穫方法で行いました。稲の刈り取りは鎌を使い手作業、はざかけをして乾燥させた稲は足踏み脱穀機・唐箕を用いて選別。脱穀機と唐箕はモノ作りの経験を活かし、大正生まれの祖父母が使用していたものを修復しながら使用しています。
“不耕起”という言葉通り、刈り取りをした稲田は数年前から一切土を起こさず、地中にいる微生物の成長を促しています。選別後に残った藁やもみ殻など、その地で採れたものはすべて土に返し、微生物の分解作用により翌年以降の肥料として活用します。また、緑肥としてレンゲソウを栽培し、肥料分の増加に努めています。
3年程前からは共通の理念を持つ友人たちと一緒に農作業することも多くなりました。はじめは友人が帰った後、作業のやり直しに追われる日々を過ごしていたという中村さん。「農作業をしていると、大地からエネルギーを得られたり、日常生活のしがらみから解放されて心を素にすることができる。一緒に身体を動かすみんなにも、同じような感覚を味わってもらうためにも、自分が納得できる方法で農業を続けていきたい」と意気込みを話しました。