農薬の誤使用を防ぐ 秋冬野菜の適用農薬一覧表の完成
[2019.09.12]
農業振興部営農指導課と営農技術指導員は8月中下旬、秋冬野菜の栽培が始まる時期に合わせ、ファーマーズマーケット出荷会員及び各産直部会員向けに「秋冬野菜 適用登録農薬一覧」(登録農薬の早見表)の配布を行いました。農薬一覧は、縦40cm横60cmの大きさのポスターに、例年出荷量の多い秋冬野菜と栽培推奨する野菜の中から19品目を選び、RACコード、農薬名、そして農薬の使用時や購入する際に出荷者が視覚でも確認できるように現物写真を掲載しました。加えて、主な適用病害虫や希釈倍数、収穫前使用日数、使用回数等を記載し、出荷者にとって活用のしやすさを重要視しました。
RACコードとは、農薬の系統を英数字で表す記号です。これまでRACコードを掲載した農薬一覧はなく「違う系統の農薬をローテーションで使うことで、病害虫に薬剤抵抗性がつきにくくなることを、出荷者に意識してほしい」と考えた上での記載です。
出荷者は農作物を出荷する前に栽培日誌の提出が必須となり、その項目の中には使用した農薬の記入欄を設けています。“栽培の慣れ”から例年と同じ農薬を使用しがちですが、登録変更により除外された農薬を気づかず使用し、出荷承認できない農作物が毎年20~30件ほどみられます。
登録農薬一覧が手元にあることで、出荷者はその場で使用可能な農薬・農薬の希釈倍数・収穫前使用日数・使用回数を確認できるようになります。誤って使用することなく病害虫への素早い対応が可能となり、出荷のチャンスロスを減らし、かつ品質向上や農家所得向上につながると考えています。
今回作成した「秋冬野菜 適用登録農薬一覧」は、ファーマーズマーケット出荷会員及び各産直部会員向けの提供資料であり、その他管内組合員は1枚500円(税別)で各営農生活センター・出荷店舗にて購入可能です。来春には春夏野菜用の適用登録農薬一覧の発行を予定しています。