慶一さんが実家の畑を引き継ぎ、本格的に農業を始めたのは約１０年前。身体を動かすことが好きで、凝り性な性格からあっという間に野菜作りに夢中になったそうです。約５年前からグリーンセンターへ出荷を始め、当初は日曜日のみ出荷していましたが、今では明美さんの助けを借りながら平日にも出荷を行い、おでん大根を中心にネギや白菜、ホウレンソウ、ジャガイモなどを年間２０品目以上の野菜を栽培しています。
　体に優しい野菜作りを目指して、農薬と化学肥料の使用量を極力抑えて栽培を行っています。また、品種選びにもこだわっており、実際に調理をする明美さんならではの意見を取り入れた、茹で時間が短く、柔らかい野菜はお客さんに好評です。「こだわって選び、作った野菜が”美味しかった”と言ってもらえるととても嬉しい」と話すお二人は「もっと喜んでもらえる野菜を作ろう」と、試行錯誤している時間が何より楽しいそうです。現在は、仕事の関係で平日に開催されているアグリ講座や産直研修会に参加することが難しいため、産直出荷時にもらうベテランの農家さんからのアドバイスがとても貴重な情報源だと話す慶一さん。「ネットや本には載っていない、長年の経験から得た栽培方法をベテランの農家さんに教えてもらえるのが産直会員になって一番うれしかったこと」と話します。
　「野菜作りは一筋縄ではいかない。失敗ばかりです。だけど、どうしたら上手に育てられるかと考えながら作ることがとても楽しい」ですと話す慶一さんの挑戦はこれからも続いていきます。