「退職後のセカンドライフを見据えて、雑草が生い茂る畑に柑橘類７品種の苗木１５本を植えて事前準備をしていたおかげで、今農作業が楽しめています」と朗らかに話す伸廣さん。計画的な準備の甲斐あって、当時植えたすだちやカボス、レモンやゆずなどが今ではたくさんの実をつけています。
　伸廣さんは日々、当JAの営農技術指導員から季節ごとの剪定方法や、発生した病害虫に適した対処法を学びながら、毎日奥さんの久枝さんと作業に励んでいます。約７年前から出荷を始め、出荷作業は家族全員で行っています。「出荷するようになってはじめて農家さんの大変さをしみじみ感じます」と苦笑を浮かべる伸廣さんですが、家族の協力もあり、出荷時期にはほぼ毎日朝からファーマーズマーケットぐぅぴぃひろばとグリーンセンター桃花台店に新鮮な柑橘類を並べています。
　土壌改良にこだわり、インターネットで得た情報をもとに各地域の堆肥を求めて調達に励んでいます。お手製の堆肥貯蔵場で調達してきた堆肥をストックしておき、土質を見ながら随時追加していきます。その甲斐あって、粘土質だった畑が柑橘栽培に適した土質に改良され、安定した収量を確保できるようになりました。
　「『自分の畑の主役である柑橘を“食卓での名脇役に”と愛情込めて栽培する』をモットーに、四季折々の味覚をより際立たせられる農産物作りをしています。これからも家族みんなで楽しみながら畑仕事を続けていきたいです」とお話しいただきました。