「農業に興味を持ったのは中学２年の頃、当時流行っていた家庭菜園に興味を持ち、家でプランター菜園を始めたのがきっかけですね」と振り返る司さん。中学卒業後は、実家から二時間かけて稲沢市にある農業高校に進学。大学ではさらに専門的な知識を学びながら、農業学校の教員免許を取得しました。その後、静岡県浜松市の農家の下で2年ほど実践を積み、自分のやりたいことを探す中で春日井市の農業講座「かすがい農業塾」に出会い、受講しました。今年２月に認定農業者となり、念願である自身の農園でこだわりの野菜を栽培しています。
　栽培には農薬や化学肥料を使用せず、環境にも配慮した栽培で、安全安心な野菜作りに努めます。販売方法にも工夫を凝らし、産直出荷だけでなく、SNSを活用したネット販売やマルシェへの出店など、幅広い販路を考えています。
　栽培作物は少量多品目で、ナスやオクラ、ブロッコリー、サニーレタスなど年間４０～５０品目を栽培しています。努力して育てた野菜を食べて、笑顔になってもらえることが何よりの喜びとなっています。
　「近年、高齢化や後継者不足が進み、地域農業の存続が危ぶまれています。耕作面積の拡大や出荷販路の開拓など、若さを力に今までの枠にとらわれない方法を模索することで、地元の活性化に貢献していきたいです」と農業への思いを語っていただきました。

（ＪＡ尾張中央　広報誌ふれあい２０２１年６月号「農の現場から」掲載）